屋根裏(隔離生活)通信

ロックダウンの解除間もない、寝ぼけまなこのフランス・パリから。

東京都知事による外出自粛要請会見を見て【緊急】

動画は3月19日に放送されたフランスの民放ラジオ局の討論番組です。『コロナウイルス:これは政府の失態か?』というテーマに対し、電話でインタヴューを受けた看護師の証言がとても胸に迫るものだったので、取り急ぎ要点を翻訳してみました。
今週末の予定を決める参考になればと思います。


Le coup de gueule de Geneviève, infirmière en Deux-Sèvres


「これは大失態、大失態です。はじめ私たち医療従事者はこれをインフルエンザと見ていいものか分かりませんでした。それからすぐにグラン・テスト(フランス東部の地域圏)の医療現場が本当に酷い状態になって、彼らは警鐘を鳴らしましたが、いつも通り政府はまるで耳を貸しませんでした。そもそも私たちの声がまともに聞かれたことが今までにありましたか?
グラン・テストの看護師たちが『患者がたくさん死んでいる、病院が溢れかえっている』と言い始めた時も、政府はやはり何もしませんでした、何の対策もされませんでした。国民に不安を与えないために警告したくなかったんでしょうが、フランス人がイタリア人より死ににくいわけじゃないでしょう。
今でこそ警鐘を鳴らさざるをえない事態になって、マクロンは厳戒モードになっていますけど、もう手遅れです。医療従事者や専門家の声を聞くべきでした。たくさんの人が問題に気付き始めていたのに、政府は私たちに耳を貸しませんでした。大失態なんてものじゃありません」

「私たちはもう検査をやめました。これはどこでも同じです。だって脅威を小さく見積もりたくないですから。テレビで言われてる感染者数なんかデタラメです。誓って言いますが、もしここで働く人全員を検査したら半分は陽性になるはずですよ。私は10時間の夜勤をしています。痰を吐いたり咳をする患者たちのなかで、もう古くなって役に立たない、聞こえますか、役にも立たないマスクをつけて働いているんです!
マスクをしてまで外を出歩く人々や、看護師の車をこじ開けて盗もうとする人々のために、私たちは自分のぶんを鍵付きの引き出しに隠さなくてはいけません。
皆さんお願いです、お願いですから、出歩かず家にいてください!それが人々の命を救うんです!それが私たちの命を救うんです!
いい加減に理解しないといけません、これはインフルエンザや水疱瘡でなく、人を殺す病気です。ここでは看護師が死んでいます。私たちは同僚を埋葬してるんです!」

「私はもう子どもたちを抱きしめられません、親しい人達にも会えません。私はこういうことの全てを、いまだにバカンス気分で外をうろつき回る人々のためにやっているんです。
自分には関係ない、知ったことかと思っていたり、自分は若いから大丈夫だと言っている人たちは、よく聞きなさい、あなたが皆にウイルスをうつしえるんです。あなたが感染させたパン屋が、あなたのお父さんかお母さんにパンを手渡すことになるんです。

もうできることはほとんどありません。私たちはずっと言ってきたはずです、いつかあなたの父を救うか母を救うかを選ばされる日がやって来ると。それがいま起きている現実です」